歯をきちんとみがいているのに口臭が気になる【原因と対策】

高柳篤史 先生 (高柳歯科医院副院長)

2019年4月22日

「歯みがきをしても口臭が・・・」「朝は特に口のにおいが気になる」といった悩みはありませんか。この記事では、口臭の主な原因を取り上げるほか、口臭対策の基本、外出先でのケア、歯みがきの効果的なタイミングなどをご紹介しています。

朝起きたときをはじめ、女性は生理周期によっても口臭が強くなります

特ににおいの強い食品を食べた後でなくても、健康な人にもある程度の口臭は認められます。このような口臭は生理的口臭と呼ばれ、主な原因は歯の隙間や舌の上などに常駐する細菌です。口の中の細菌は夜間に増えるため、生理的口臭は特に朝起きたときに強く感じることがあります。女性の場合、月経前や月経中などに、女性ホルモンの影響で口の中の細菌が増えやすくなり、口臭が増加することがあります。

一方で、口の中をはじめ、扁桃腺や胃などにある病気によって、口臭が強くなることがあります。これらの口臭は病的口臭と呼ばれ、口臭の原因となる疾患を治療することで、軽減させることができます。むし歯や歯周病といった、口臭の原因となる病気が疑われる場合は、まずはしっかりと治療することが必要です。

また、舌の上の細菌も口臭の原因になることから、ていねいに歯をみがくだけでなく、舌の上や付け根にたまった汚れをしっかり清掃すると、口臭がぐんと軽くなるケースが見受けられます。また、義歯を装着していると口の中が不潔になりやすいため、義歯を装着している人は食後に義歯を外して、しっかりと清掃する必要があります。

口の中以外の原因としては、胃炎や糖尿病なども挙げられます。ていねいに磨いてもにおいが気になるときは歯医者さんで相談してみるとよいでしょう。

意外かもしれませんが、口臭を気にしている人の中には、実際には口臭が認められない人も多くいます。口の中のお手入れに気を配っているからこそ、「口臭がする」「口臭が気になる」と感じてしまうケースが多いようです。反対に、実際に口臭がある人は、病的口臭の場合もありますが、口の中のお手入れにさほど熱心ではないために口臭を自覚しにくい傾向があります。

知っておきたい!口臭を改善する5つのセルフケアのコツ

「歯をきちんとみがいているのに口臭が気になる」。そんな悩みの対策や予防法をご紹介します。自分に合った簡単なセルフケアを取り入れて、口の中を健やかに保ち、気持ちよく過ごしましょう。

コツ1.ていねいな歯みがきと舌の清掃が基本

口腔内細菌による口臭を予防するには、口の中の歯垢をハブラシ(歯ブラシ)でていねいに取り除くことが重要です。ハブラシを使った1日に2回以上の歯みがきを心がけてください。

忙しくて、毎回、時間をかけてみがくことができない人も、寝る前などに1日1回は時間をかけてみがく習慣を。特に、奥歯のみぞや歯と歯の間、歯と歯肉のさかいめ、歯の付け根などを意識してみがきましょう。過去にむし歯になった歯の周辺は特に念入りにみがいてください。

ハブラシの毛先が届きにくい場所にすみやかに殺菌剤を行き渡らせるという意味では、歯みがきの仕上げに殺菌剤の入っているデンタルリンス(洗口液)を使うのも有用です。舌の上にも細菌がいるので、舌も軽くみがくとよいでしょう。

歯と歯の間やさかいめなどのみがき残しやすい場所にハブラシの毛先を入れるようにしてみがくとよい

コツ2.外出先でも口臭ケアする方法

朝の歯みがき以外にも、歯ブラシを携帯して外出先でも歯をみがくと、口臭ケアに有効です。外出先での歯みがきが難しいときは、うがいだけでも口臭のケアになります。また、口の中の細菌を減らすためには、殺菌剤が配合されたデンタルリンス(洗口液)も役立ちます。例えば、1日2回、朝と夜に歯をみがく人は、その間に使うことで、細菌の増殖を抑えることができるので、口臭ケアとしてもおすすめです。

コツ3.睡眠中は唾液が減るから夜の歯みがきは特にしっかり!

口の中の細菌の数は唾液の量と関連しており、下図からわかるように、1日のうちで唾液量が少なくなったときに口臭が増加します。そのため、唾液の分泌量が減る就寝中に細菌が増え、口臭やネバつきが強くなります。つまり、歯をみがかないまま寝ると、夜の間に口の中の菌がぐんと増えてしまいます。寝る前にていねいに歯をみがいて口の中の細菌を減らしておくことが、特に朝起きたときに気になる生理的口臭の効果的な予防法です。

「寝る前に何か食べても歯をみがいて寝れば問題ない」と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。何かを食べた後に酸性になった歯垢を、唾液が中性に戻すには、およそ40分かかります。つまり、いくら歯をみがいたとしても、すぐに寝てしまうと、酸の中和が十分でないうちに唾液の分泌が減るので、むし歯の原因になるのです。寝る前の飲食は、歯のためにも健康のためにも控えましょう。

<口腔状態の日内変動>

コツ4.唾液の分泌に関係するストレスや緊張に注意!

唾液の分泌は自律神経によってコントロールされており、疲労や緊張で変動します。ストレスや疲労で交感神経が優位になりがちな働き盛りの人は、唾液が減少して口臭が強くなることもあります。副交感神経を優位にすると唾液の分泌が促されるので、ストレスや緊張に思い当たる人は、意識してリラックスタイムを設けましょう。

コツ5.唾液が減る理由とその対処法をチェック

多くの人は加齢とともに服用する薬が増えるので、年齢が高くなるにつれて薬が原因で唾液が減少する人が増加する傾向がみられます。若い世代でも、花粉症の薬や鎮痛薬などの副作用で、唾液が減少することがあります。鼻炎などが原因で口呼吸をする人は、唾液が乾きやすくなるので口の中が乾燥しやすくなります。

唾液の分泌を促すには、よくかんで食べることが大切。さらに、笑う、話すなどの豊かな表情で筋肉を動かすと、唾液を口の中に行き渡らせることができます。大きな唾液腺のある場所を刺激する「唾液腺マッサージ」も取り入れてみてください。

大きな唾液腺のある場所をマッサージすると、唾液の分泌が促されるので、痛くない程度の力で押す習慣を

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