歯のみがき方とオーラルケア商品<歯の健康の基礎知識8>

高柳篤史 先生 (高柳歯科医院副院長)

2018年12月27日

歯みがき(歯磨き)の目的は歯垢を落とし、ハミガキの有効成分をお口のすみずみに届けること。そのためには1本1本ていねいにみがくことが大切です。

歯みがき(歯磨き)の目的は歯垢をきちんと落とすこと

むし歯や歯周病を予防するには、歯垢をしっかり落とし、ハミガキの有効成分をお口のすみずみに届けることが大切です。1日2回以上ていねいにみがいて、歯垢を落としましょう。忙しくても、せめて1日1回は、ていねいな歯みがきを心がけましょう。

とくに就寝中は、唾液の分泌が少ないため、細菌が繁殖しやすいので、就寝前には、時間をかけて念入りにみがくことが重要です。みがけるときに、しっかりみがいておけば、歯垢がたまるのも防げます。

歯みがき(歯磨き)は1本1本意識して、ていねいにみがくのが基本

「奥歯の溝」と「すき間」がポイント
穴があく一歩手前の「初期むし歯」の段階なら、毎日のケアしだいで健康な状態にもどせる可能性があります。ミネラルの補給を促して健康な状態にもどす(再石灰化)働きのあるフッ素入りハミガキを使いましょう。

みがき方のコツは、フッ素入りハミガキをハブラシに1g以上つけて、すき間を意識しながら2分間ブラッシングすること。歯のみぞや歯と歯の間などにハブラシの毛先が入ることで、フッ素入りハミガキも同時に届き、むし歯予防効果が高まります。

みがき始めは、口の中のフッ素濃度が高いので、むし歯になりやすい奥歯のみぞなどから始めるのがよいでしょう。

長時間ブラッシングをする場合は、この歯みがきの方法を最後の2分間に取り入れてみましょう。歯周病で露出した部分もむし歯になりやすいので、この方法をおすすめします。フッ素は口をすすぎすぎると溶け出してしまうので、すすぎの回数を少なめにすることも大切です。さらに、歯みがき後は飲食を2時間ほど控えると、より効果的です。

<奥歯>のみがき方
奥歯周辺はハブラシが入りにくく、みがき残しの多いところ。奥歯に届きやすいハブラシを使うのがおすすめです。

奥歯の内側はハブラシを縦やななめにして、毛先に歯
を添わせてみがく。
かみ合わせのみぞは、できるだけ細か
くていねいに。

<前歯の裏>のみがき方
下の前歯の裏側は、唾液の分泌腺があり、歯石がつきやすい場所です。

前歯の裏はハ
ブラシを縦にし
て、毛先を
奥の裏にしっ
かり押し当て
て、上下に動か
してみが
く。下の前歯
の裏側は、ハ
ブラシのかか
とを使うと、
うまくみがけ
る。

<歯並びの悪いところ>のみがき方
歯並びに凹凸があると、その部分にハブラシが届きにくいものです。ハブラシを縦にして、1本ずつみがきましょう。

歯が重なっている部分
にも毛先を入れる。
側面にもハブラシが直角に
当たるようにみがく。
ひっこんだり、飛び出している歯の、
となりの歯の側面もみがく。

<歯と歯肉のさかいめ>のみがき方
成人以降になると、歯周病で歯を失う人が増えます。歯周病を防ぐために最も重要なのが、歯と歯肉のさかいめの歯垢を取り除くことです。ハブラシの毛先が届きにくいので、ハブラシの毛先を45度くらいに傾けて入れ込むようにしてみがくのがポイントです。

さかいめに、毛先をななめに当て
て、小刻みに動かす。
こうすると、歯肉へのマッサージ
効果もある。

ハブラシ(歯ブラシ)は、こまめに取り替える

ハブラシは、自分の口の中の状態やみがき方に合ったものを使うことをおすすめします。植毛部の大きさや毛のかたさが、自分にとってみがきやすく、歯肉を傷つけないよう、毛先が丸く加工されたものがよいでしょう。

しかし、いくらよいハブラシでも、毛先が開くと、歯垢が落としにくくなります。1ヶ月に1回は取り替えの目安。新しいものに取り替えてください。また、汚れたハブラシは、細菌の絶好の繁殖地。使用後は流水できれいに洗い、風通しのよい場所で乾燥させます。

ハミガキは、目的に応じて選ぶ

ハミガキは、口の中をキレイにするためのものです。歯を清潔にするために、ハブラシだけでも歯に付着した汚れの一部は取り除けますが、歯に頑固にこびりついた汚れの一部やハブラシの毛先の届きにくい部分の汚れは十分に取り除くことはできません。ハミガキに含まれる成分の働きによって、このような口腔内の汚れを効果的に取り除き、口臭を防ぐ、口中を浄化するなどの基本機能があります。

特に、むし歯を予防するには、フッ素入りハミガキがおすすめ。各国の研究機関が「フッ素入りハミガキがむし歯予防に推奨される根拠がある」と報告し、WHOでもフッ素入りハミガキの普及を推奨しています。

また、知覚過敏によるしみる痛みを予防するには、硝酸カリウムなどの薬用成分が配合されたハミガキを活用しましょう。

その他にも、歯周病の予防や、歯に付着したタバコのやにを除去する等の薬効成分を配合した医薬部外品のハミガキも多く市販されており、目的に応じて使うことをおすすめします。

就寝前には、デンタルリンスがおすすめ

デンタルリンス(洗口液)は液状なので、すばやく広がり、お口のすみずみにまで届きやすいのが特長です。むし歯などの病原菌の働きを抑える殺菌剤や、歯へのカルシウムの補給を助けるキシリトール、歯の黄ばみを落としやすくするリンゴ酸などが配合されたものもあるので、目的に応じて選んでください。就寝前や歯みがきができないときなどに使うのもおすすめです。

少なくとも年に1~2回は歯科医院で健診

毎日ていねいに歯をみがいてもハブラシの届きにくいところや歯周ポケットの歯垢や歯石など、どうしても自分では落とし切れないよごれがあるものです。

そのためにかかりつけの歯科医院で定期的に健診を受けることが大切です。治療などの必要がなくても、少なくとも1年に1~2回はかかりつけの歯科医院を受診するように習慣づけましょう。口の中をチェックしてもらったり、歯石や着色汚れなども落としてもらったりすれば、むし歯や歯周病の予防にも効果的です。

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