歯周病の原因と対策<歯の健康の基礎知識5>

高柳篤史 先生 (高柳歯科医院副院長)

2018年12月27日

歯周病とは、歯肉や歯根膜、歯槽骨など、歯を支える土台「歯周組織」が破壊されてしまう病気です。

歯周病は、歯を支える土台の病気

「歯周病」とは、「歯肉炎」や「歯周炎(歯槽膿漏)」の総称であり、歯肉や歯根膜、歯槽骨といった歯を支える土台である「歯周組織」が破壊されてしまう病気です。

その主な原因は歯垢です。歯垢の中の細菌の毒素や酵素が歯周組織を刺激して、歯肉が炎症を起こしている状態が歯肉炎。さらに悪化して、歯槽骨まで破壊されるのが歯周炎(歯槽膿漏)です。

歯周病が進行すると歯を失う原因に

超高齢社会を迎えた日本において、成人の約8割が歯周病に罹患しています(*1)。歯周病は歯を失う最も大きな原因であるのに加え、糖尿病の悪化要因であることも明らかになっています。歯周病を口の中だけの問題と捉えず、全身の健康に関わる病気として認識することが大切です。

  • * 1 出典:厚生労働省「歯科疾患実態調査」(平成23年)
歯肉炎
炎症が起こっている
状態。
歯肉が赤くはれ、歯
みがきをはじめ、ち
ょっとした刺激でも
出血しやすくなる。
軽度歯周炎
歯肉の炎症が進み、
歯と歯肉の間に「歯
周ポケット」と呼ば
れる深いみぞができ
る。歯槽骨の破壊も
始まる。
中等度歯周炎
歯肉がブヨブヨには
れ、歯周ポケットか
らうみが出て、口臭
もひどくなる。歯が
浮く感じがして、も
のがかみにくくな
る。
重度歯周炎
歯槽骨はほとんどな
く、歯根が露出。歯
肉がはれて痛み、歯
はグラグラになって
最後には抜けてしま
う。

歯周病の予防は、歯と歯肉の境目をきちんとみがくこと

歯周病を予防するには、毎日の歯みがきで、歯と歯肉のさかいめの歯垢をきちんと取り除くこと、歯肉を刺激して血行を促進することが大切です。

まず、自分の歯肉をよく見てみてください。赤くはれている、歯肉から血が出る、口臭が気になるなどの症状に思いあたったら、注意が必要です。どこがはれているか、どこから血が出るか確認したら、そこに毛先をきちんと当ててみがきます。血が出ると、怖がってみがかなくなる人が多いようですが、恐れずにみがくことが必要です。きちんとみがいても出血が続く場合は、歯医者さんに行きましょう。

炎症を起こした歯肉。歯肉が赤みを帯び、
ぷっくりとはれています。
ていねいな歯磨きを続けた後の歯肉。赤みがひい
て、ひきしまってきました。

ポイントは、歯と歯肉のさかいめに、ハブラシの毛先を軽く入れるような気持ちで、ななめ45度くらいに傾けて当てて、小刻みに動かすこと。こうすると、歯肉へのマッサージもできます。

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