注目のキーワード

めまい・耳鳴り・難聴を防ぐための基礎知識【原因と対策】 よく見られている記事

2018年9月28日

「めまい=メニエール病」とは限りません

めまいがすると、「メニエールではないか」と考える人が多くいます。しかし、めまいに悩む人のうち、実際にメニエール病と診断されるケースはそれほど多くありません。メニエール病は、グルグル回転するような激しいめまいに繰り返し襲われるのが特徴です。また、頭痛や嘔吐のほか、必ず片耳に強い耳鳴りや難聴なども併発し、仕事や家事ができない状態になり、日常生活に支障をきたします。

メニエール病は、増えすぎた内リンパが原因と考えられています。強いストレスや交感神経の興奮が影響していると推測され、真面目で几帳面な性格の人や最近では働き盛りの女性に多く発症しています。発作を繰り返すうちに難聴が進むので、早期治療が重要です。日常生活では、下記の記事を参考に、生活習慣の改善やストレス対策を取り入れましょう。

また、メニエール病によく似た不調として覚えておきたいのが、めまいが起こらないのに、耳鳴りや耳閉塞感、低音域の難聴が起きる「蝸牛型メニエール病」です。繰り返すとメニエール病に移行することがあるので、受診をおすすめします。

▼関連記事:めまいや耳鳴り、ふらつきが気になることがある【原因と対策】

立っていられないほどの激しいめまいに見舞われ、入院が必要な場合もあるメニエール病。ストレスが発作の引き金になるので、日常生活ではストレス対策が重要

多くの場合「めまいは耳から」「耳鳴りは脳から」起こります

耳から脳へ至る部位は、外耳、中耳、内耳で構成されています。内耳にある蝸牛(かぎゅう)には、感覚毛が生えた有毛細胞がぎっしりと並んでいます。耳は音を聞く器官ですが、実際には耳が集めた空気の振動が蝸牛で電気信号に変換されて脳に送られ、脳が「音」として認識しています。

このとき脳は「不快な音か」「高い音か」などを瞬時に判断します。この判断には、脳の視床下部とその周辺の大脳辺縁系などを含めたCAN(中枢性自律神経ネットワーク)という部位が関係しており、耳鳴りにもかかわっていることが明らかになってきました。

内耳にある三半規管(さんはんきかん)と耳石器(じせきき)には、身体のバランスを保つ平衡機能が備わっています。このように、耳と脳はつながっており、「めまいは耳から」「耳鳴りは脳から」という言葉もあり、めまい・耳鳴り・難聴が同時に起こることも少なくありません。

▼関連記事:車酔いは防げる?宇宙に行くと酔う?【健康豆知識】

代表的なめまい・耳鳴り・難聴を知りましょう

めまいの悩みでもっとも多い「良性発作性頭位めまい症」は、回転性の激しいめまいの場合も、平衡感覚を失ってふらつくようなめまいの場合もあります。女性に多く、頭の向きを変えたときに起こり、耳鳴りや難聴は伴いません。「良性」という名前のとおり、受診すればほとんどの人は改善します。

あるとき突然に耳が聞こえなくなったときは、「突発性難聴」のおそれがあります。難聴の程度はさまざまで、耳鳴りや回転性のめまいを伴う人もいます。ほとんどの場合、片側の耳だけに起こり、発作は一度きりです。早めに受診すれば、聴力の回復が期待できます。「職業性難聴」「騒音性難聴」は、演奏家やミュージシャン、工作機械などを使う人にみられる職業病で、ライフスタイルによっては「ヘッドホン難聴」とも呼ばれます。

「加齢性難聴」では、歳とともに主に高い音が聞き取りにくくなります。耳鳴りの併発が多いのは、脳が足りない音を補おうとし、不快に感じたCAN(中枢性自律神経ネットワーク)が興奮することで、脳の中の音が大きくなるためです。「難聴は歳だから仕方がない」と思いがちですが、趣味や心地よい運動などに集中すると、CANの興奮を抑えられるので、耳鳴りの軽減につながります。

▼関連記事:めまいやふらつき、特に病気ではなさそうなのに?【原因と対策】
▼関連記事:高齢のせいか、眠れない。朝も早く目が覚める【原因と対策】

耳鳴りは実は脳の中で起こっており、脳の疲れのバロメーターともいえる。心身の調子がよくなれば軽減することも多い

めまい・耳鳴り・難聴はさまざまな原因で起こります

めまいや耳鳴りは、一見関係のなさそうな生活習慣や健康状態が原因になる場合もあります。例えば、極端なダイエットや体重減少で栄養状態が悪化すると、耳管の周辺の脂肪が減って開きっぱなしになり、呼吸音や声に過剰に振動することで、耳鳴りが起こります。

糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病も、脳への血流量を不足させ、めまいや耳鳴りにつながります。自律神経失調症、うつ病、パニック障害の症状として、めまいや耳鳴りが現れるケースもあります。

50歳前後の女性がめまいや耳鳴りに悩むようになったら、更年期障害かもしれません。ほとんどの場合は更年期が過ぎると自然に解消しますが、更年期は家庭環境の変化や親の介護などと重なりがちな時期でもあるため、心身のストレスが不調を加速させている可能性もあります。

▼関連記事:更年期の症状はいろいろあり、閉経後に急速に進行するものもあります

予防と改善にはストレスマネジメントが重要です

めまい・耳鳴り・難聴に悩む若い世代の人が増え、頭痛や肩こり、不眠、倦怠感などの不調を抱えている例も目立ちます。検査をしても特に異常が見つからない場合は、ストレス対策でぐんと改善する可能性があります。ストレスが自律神経のバランスを崩すことで、めまいや耳鳴りとして現れることがあるからです。例えば、自律神経が乱れると血めぐりが悪化し、耳の機能が低下します。すると、音を頑張って聞こうとした脳が疲れてしまい、耳鳴りにつながります。

ストレスにはさまざまな種類があり、心因性のストレスでは、不満や不安などが原因となり得ます。身体的なストレスのうち、外的ストレスとして顕著なのが、急な寒さや気圧の変化といった気候です。内的ストレスとしては、運動不足や疲労が挙げられます。

症状を手帳や日記に記録すれば、発作の引き金となるストレスの発見につながります。仕事の納期に余裕をもたせる、冷える日には使い捨てカイロで温めておく、身体を動かしてみるなど、適切な改善法も見つかります。

ストレスの原因がわかっても、完全に取り除くのは難しいものです。そこで取り組んでおきたいのは、ストレスをためこまず、ストレスに打ち勝つ健やかな心身を育むこと。そのためには、規則正しい生活習慣が効果的です。

人間の体内時計は、ぴったり24時間とは限りません。朝は決まった時刻に起きて太陽の光を目に入れ、体内時計をリセット。朝食は抜かず、エネルギーを補給するとともに、1日のリズムを整えましょう。寝つきが悪い人は、ぬるめのお湯に入浴すると、眠りにつきやすくなります。また、趣味を楽しむ時間やリラックスできる時間を意識的につくる、心地よく汗を流す程度の運動をするなども大切です。

▼関連記事:睡眠と入浴―すぐに役立つ健康入浴法(6) 

朝日を浴びた約14時間後に睡眠を促すメラトニンが分泌されるので、決まった時刻に起きて太陽の光を見れば規則正しい睡眠サイクルにつながる

発作が起きたら「まず安静に」が基本です

外出先でめまいの発作が起こったら、無理に動こうとするのは危険です。近くに椅子があれば座る、壁や手すりにつかまるなどして、転倒を防いでください。可能なら近くの人に症状を伝え、手助けをお願いしましょう。

発作が治まったら、手すりや壁に頼ってゆっくりと動き、屋外にいる場合は人込みを避けて帰宅してください。車や自転車の運転、機械の操作などはできるだけ避けることをおすすめします。激しい頭痛や視界の変化、舌や手足のしびれも起こっていたら、すぐに病院へ。その後もめまいを繰り返したら、生活習慣病の持病がある人はかかりつけ医、持病がない人は耳鼻咽喉科を受診してください。

騒音や照明を避けて安静に。屋外の明るさが気になる場合はアイマスクを活用しても


 
▼【めまい・耳鳴り・難聴】をもっと読む

この記事をシェア

  • facebook
  • twitter
  • google+
  • はてブ