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健やかに歳を重ねるための基礎知識【中高年からの健康づくり】 よく見られている記事

2017年12月27日

これからも元気に過ごすには、中年期からの心構えが大切です

日本人男性の平均寿命は80.98歳、女性は87.14歳(*1)。1947年と比較すると男女ともに30年以上も延び(*2)、中年期以降の年月が大幅に長くなりました。

また、65歳以上の人たちを1992年と2002年で比べた場合、運動機能などの健康水準が上がっていることがわかっています(*3)。つまり、高齢者が若返り、老化が先送りされているといえるでしょう。

このような中、現在は65歳以上と定義されている「高齢者」を75歳からに見直すとともに、65~74歳を社会の支え手でもある「准高齢者」とする動きもあります。

昔に比べて若返ったとはいえ、親の介護を経験したり、子どもが巣立ったりしたりすると、心身に大きな影響を与えるケースも多くなります。中年期のうちから自分の身体への関心を高め、健康づくりに取り組むことが、今後の豊かで充実した毎日につながります。また、生きがいや充足感といった「心の若さ」も大切。人と交流し、会話を楽しみ、趣味を持つ…。このように積極的に生きれば、認知症にもなりづらいことがわかっています。

年齢区分の目安

中年期/40-64歳
前期高齢者/65~74歳
後期高齢者/75歳以上
*1 出典:厚生労働省「簡易生命表の概況」(平成28年)
*2 2015年以前は算出方法が異なり、1970年以前は沖縄県を除く値。厚生労働省「簡易生命表の概況」
*3 出典:旧東京都老人総合研究所「老化に関する長期縦断研究」

私たちの身体機能は加齢とともに徐々に低下します

私たち人間は誰もが歳をとります。それにともない、身体的な機能が低下するのは避けられません。実感しやすい例としては、視力や聴力が低下する、転びやすくなる、トイレの回数が増えたり尿がもれやすくなったりする、物忘れが増えるなどが挙げられます。

これらは必ずしも病気ではなく、自然に起こる変化といえますが、いつまでも自由で自立した毎日を過ごすためには、身体に起こる変化を見逃さず、早めに対処することが大切です。

ただし、加齢に伴って全ての機能が衰えるというわけではありません。例えば、2種類の知能のうち、暗記や計算といった運動性知能は衰えますが、これまでの経験値をもとに本の内容をトータルに理解するといった結晶性知能は衰えないことがわかっています。

よく歩くことが、身体機能の衰えを防ぐ第一歩です

加齢による変化を自覚しやすいものに、筋肉の老化があります。中でも、「老化は足から」といわれるように、下半身の筋肉量が大きく低下します。身体を動かさないと筋肉はさらに衰えるので、日頃からよく歩いて足腰を鍛えましょう。筋肉を使うと、血行がよくなり、全身に酸素が送られるため、新陳代謝が高まることで、若々しさの維持に役立ちます。

40代~50代に汗ばむ程度の運動をする習慣がある人は、高齢期になったときの身体活動能力が高く、認知症になるリスクが低いこともわかっています(*4)。

*4 出典:国立長寿医療研究センター研究所(鈴木隆雄)「中年期の運動の重要性」(2012年)

男性は特に脳卒中などの血管老化に気をつけましょう

老化の現れ方やなりやすい病気、健康面で気をつけるべきポイントは、男性と女性で異なります。例えば、中年期の男性は、ストレスや喫煙で高血圧になる人が増え、前立腺肥大による尿の悩みも目立ち始めます。高齢期になると、脳卒中や動脈硬化といった血管の老化による病気やがんの発生が増えます。これらの病気は徐々に進行するものなので、食事と運動による予防対策と健康づくりを一刻も早く始めましょう。

女性ホルモンの減少が女性の健康に大きく影響します

一方、中年期以降の女性の健康を語る上で欠かせないのが、閉経にともなうエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量の減少です。高脂血症や動脈硬化のほか、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が進行しやすくなります。骨密度が低下した状態で転倒すると、骨折を招き、特に大腿骨頚部(足の付け根)の骨折は寝たきりのリスクを高めます。カルシウム不足に気をつける、運動する機会を増やすなどで、若いうちから骨の健康を意識した生活習慣を身につけてください。

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歯や口腔の状態は、全身の健康に関係します

歯の本数やものを噛む能力が健康と結びついていることは、少しずつ明らかになっており、歯周病が糖尿病に影響を及ぼすことも知られるようになりました。元気で活発な高齢者には、健康で残っている歯の平均本数が多い傾向が認められます。

年齢を重ねると口臭が気になるようになるのは、むし歯や歯周病の進行により歯の隙間に食べ物のカスが残りやすくなったり、ドライマウス(唾液の分泌量が減り口の中が乾燥する症状)により細菌が繁殖しやすくなったりするのが大きな原因です。ドライマウスを完全に治す方法はありませんが、咀嚼をしなくなると唾液の量がますます少なくなります。

歯の本数や唾液の分泌量が減ると、ものをよく噛み(咀嚼)、きちんと飲み込む(嚥下)能力が低下します。食事を楽しめなくなるほか、低栄養の原因にもなるので、注意が必要です。また、歯を失う原因であるむし歯と歯周病は、若いときからのケアで予防できるので、健康な歯を1本でも多く残し、いつまでも食事を楽しめる口を保ちましょう。

▼関連記事:歯周病<歯の健康の基礎知識5>

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尿もれは生活の質を低下させる原因の一つです

歳をとるとともに、尿もれ(尿失禁)を経験する人が増加します。命にかかわる深刻な病気ではなく、恥ずかしさもあることから、誰にも相談せず放置する人が多いようです。

しかし、尿もれの頻度が高くなると、身体的な不快感だけでなく心理的な罪悪感なども重なり、旅行や外出を減らすなど、生活の質が大きく低下します。「尿もれは歳だから仕方ない」と思いがちですが、骨盤底筋という下腹部の筋肉を鍛える、適性体重に調整するといったセルフケアで、改善が期待できます。

▼関連記事:尿もれ・頻尿・膀胱炎を防ぐための基礎知識【泌尿器の仕組みと働き】

運動・栄養・睡眠を見直し、若々しさを維持しましょう

これまで挙げてきた老化による身体機能の衰えは、努力しだいで遅らせることができます。そのためには、運動・栄養・睡眠(休養)の3本柱からなる生活習慣の見直しが不可欠です。

栄養面においては、たくさんの食材をバランスよく。「肉は健康によくないから」と誤った情報をもとに避けるのではなく、動物性タンパク質も適度に食べましょう。同時に、生活習慣病予防としての禁煙やストレスマネジメントも不可欠です。

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