体調管理は大丈夫!?海外旅行を元気に楽しむコツ

2019年12月23日

観光やグルメ、ショッピングなど、楽しみがいっぱいの海外旅行。調査によると、海外旅行や出張で大切だと思う健康上の留意点の1位は「睡眠時間」、続いて「エコノミー症候群」が挙げられました。「水や食事のとり方」、便秘や下痢といった「お腹の不調」、「乗り物内やホテルの乾燥」が気になる方も多いようです。(図1)。そこでこの記事では、海外旅行や海外出張での体調管理や不調対策に役立つ情報をお届けします。

<海外旅行や出張で大切だと思う健康管理上の留意点>

図1/花王インターネット調査「海外旅行や出張で大切だと思う健康上の留意点」(2019年)より作図

喉を守って風邪を防ぐコツ

機内やホテルの室内の乾燥が気になることはありませんか?調査によると、海外旅行での移動中は、マスクをつけたり喉飴などをなめたりして(図2)、喉を守りたい人が多いことがわかります。旅行中の風邪やインフルエンザが気になる人は、鼻やのどの機能を高めてバリア力(りょく)をアップすることを意識してみませんか。鼻や喉の粘膜に生えている「線毛(繊毛)」が鍵を握っています。線毛は鼻の奥や喉の粘膜に生えている細く短い毛で、体内に入ってきた異物を除去する役割があるからです。

<海外旅行の移動中に飛行機内や車内などで実施しているケア>

図2/花王インターネット調査「海外旅行の移動中に飛行機内や車内などで実施しているケア」(2019年)より作図

侵入してきた異物を除去する線毛の動きを活性化するのは、加温と加湿です。また、加温や加湿はウイルスの活動も弱めます。鼻や喉を温めて乾燥を防ぐ手軽なアイテムが、マスクです。寒さや乾燥が気になる場所で過ごすときには、マスクを着用しましょう。

ウイルスが鼻や喉の粘膜に付いたままにすると、風邪を引きやすくなります。そこで、口の中を保湿して喉の乾燥を防ぎましょう。ホテルに戻ったらうがいをする、温かい飲み物をこまめにとる、喉飴をなめるなどを意識的に実行するのがおすすめです。

時差ボケ防止や快眠のコツ

海外に行くときは時差ボケが心配という人は、就寝と光を浴びるタイミングを調整する対策があります。ロサンゼルスに向かう東行きなら午前中に光を浴びておく、ロンドンへ向かう西行きは遅くまで寝て照明を浴びておくなど、行き先によって調整するとよいでしょう。

「なかなか眠れない」「寝つきが悪く夜中に目が覚める」という人は、室内の温度や湿度に気を配り、快適に整えましょう。副交感神経が優位になって入眠しやすくなるともいわれているので、目の周囲を温めるのもおすすめです。

お風呂の入り方を工夫すれば、快眠につながることもあります。入浴すると、深部体温(脳や内臓の温度)がぐんと上がった後で急降下します。寝る1~2時間前に深部体温が急降下すると快眠しやすくなります。良眠に効果的な入浴の目安は、「40℃前後のお湯に10分以上」です。

足のむくみや腰痛をリフレッシュするコツ

飛行機や電車で、長時間座りっぱなしで足を動かさない状態が続くと、筋肉の収縮と弛緩によるポンプ作用が使えず、血液が滞り血めぐりが悪くなります。すると、血液や水分が足にたまり、むくみを招いてしまいます。足をゆっくり上げ下げするストレッチで筋肉のポンプ作用をサポートしましょう。エコノミー症候群も心配される機内でも取り入れてください。

<かかとを上げ下げするだけ!ふくらはぎのストレッチ>

(1)椅子に座り、靴はできれば脱ぎ、つま先をまっすぐに伸ばし、10秒かけて片足を上げる
(2)膝の高さまで上げたら、膝を曲げず足を伸ばしたまま、つま先を上に向けて5秒ほどキープする
(3)つま先を上に向けたまま、10秒かけて足を下ろす。足を変えて(1)~(3)を数回繰り返す
※運動やストレッチの効果には個人差があります。無理をせず、伸ばしている部分が「気持ちいい」と感じる程度を目安に行ってください

冷えが原因で腰痛がひどくなることもあります。血めぐりが悪くなり、老廃物などが溜まることが原因になります。エアコンの風が直撃しないように気をつけたり、保温効果の高い下着や靴下などを着用したりしましょう。全身を温めるには、使い捨てカイロを背中や腰に貼るのもおすすめです。

移動中は腰や背筋にやさしい姿勢を。椅子をリクライニングさせすぎて背中が反らないようにする、床や足置きに足をつけて安定させる、背もたれと腰の隙間にはクッションを丸めたセーターを入れるなどを実行しましょう。

旅先でも気を付けたい!ドライアイを防ぐコツ

エアコンの乾燥や車の運転などでドライアイが気になったら、意識してまばたきを増やしましょう。目の表面に送られる涙の量が増えるので、目を乾燥から守り、ドライアイがやわらぎます。

涙を構成する成分の一つである油分を分泌するマイボーム腺が詰まると、ドライアイの原因になります。蒸しタオルでじんわり温めれば、固まった油分を溶かせるので、ドライアイだけでなく疲れ目の改善にも役立ちます。

40℃くらいの蒸しタオルを目に乗せて、10分ほど温めるとよい。蒸しタオルを使うときはやけどに注意

旅先で困る!急な「トイレ!」に備えるコツ

排尿に関わる臓器は自律神経でコントロールされており、自律神経は気持ちと密接に関係しています。頻繁な尿意が気になる人は、「トイレにはすぐ行ける」「済ませたばかりだから大丈夫」と思うなどして不安を減らし、心に余裕を持ちましょう。旅行時に尿もれようパッドを用意しておくのも安心につながります。

冷えや寒さが急な尿意や尿もれの引き金になることもあります。下半身を冷やさないようにすると、予防につながります。外に出るときは、保温性の高い下着や靴下を着用したり、使い捨てカイロで下腹部を温めたりするのもよいでしょう。

旅行すると便秘になる人が知っておきたいコツ

海外旅行では、お腹の不調が気になる人も多いようです。食事や水に気をつける一方で食事の内容や環境が変わることで便秘に悩む人も。ここでは旅先で困る便秘対策をご紹介します。

スムーズな排便に役立つ簡単なマッサージを、トイレやお風呂で実行しませんか。おへその下に置いた両手を、大腸の形を思い浮かべながら「の」の字を書くようにゆっくりと動かしてください。

<お腹くるくるマッサージ>

おへその下を起点に時計回りに両手でマッサージ。●のあたりを強めに押すとよい。10回ほど繰り返す

腸の活動は自律神経にコントロールされています。寒さや冷えがストレスになって、交感神経が優位になると、腸の不調を招く場合があるので、羽織りものや使い捨てカイロで冷えを防ぎましょう。蒸しタオルでお腹を温めると、血行が促進され、リラックスにもつながり、腸の働きを整えるのに役立ちます。

お腹を温めると副交感神経が優位になり腸の働きを整えることにつながる。蒸しタオルを使うときはやけどに注意

便意があるのに出ないときは、便座に座る姿勢を工夫しましょう。上半身を前かがみにすると、直腸から肛門にかけての角度が広がり、便が出やすくなります。肘を太ももに乗せ、つま先を床につけてかかとを上げるのもポイントです。

<便が出やすい姿勢>

上半身を前方に傾け、肘を太ももに乗せ、かかとを上げると、いきみやすくなり、排便がスムーズになることも

<監修者一覧>

喉を守って風邪を防ぐコツ
本間生夫 先生 (東京有明医療大学学長)

時差ボケ防止や快眠のコツ
三島和夫 先生 (医学博士・秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座教授)

足のむくみや腰痛をリフレッシュするコツ
福田千晶 先生 (医学博士・健康科学アドバイザー)

旅先でも気を付けたい!ドライアイを防ぐコツ
後藤英樹 先生 (後藤眼科医院院長)

旅先で困る!急な「トイレ!」に備えるコツ
西村かおる 先生 (NPO法人日本コンチネンス協会会長)

旅行すると便秘になる人が知っておきたいコツ
加藤木真史 先生 (聖路加国際大学大学院看護学研究科助教)

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