今年の冬は風邪をひかずに乗り切りたい【原因と対策】

本間生夫 先生(東京有明医療大学学長)

2019年11月27日

風邪やインフルエンザが気になる時期に、感染を予防する日常生活の工夫や、苦しい鼻づまりや咳をやわらげるコツをご紹介します。仕事や受験でどうしても休めない、大切なイベントがあるからダウンしたくないという人は、特に参考にしてください。

規則正しい生活を基本に、鼻や喉の機能を高めましょう

風邪(かぜ症候群)の正式名は「急性上気道炎」。鼻腔から喉頭までの上気道の粘膜に、原因となるウイルスや細菌(バクテリア)が付着して、鼻や喉に炎症が起こった状態です。1週間ほどで自然治癒しますが、風邪をひいてしまうと仕事や勉強に支障をきたすので、毎日の予防が不可欠です。

予防の基本は、免疫力を高めるための規則正しくバランスのとれた3食と十分な睡眠です。接触感染を防ぐために、手洗いの習慣も身につけましょう。咽頭を洗い、上気道を清潔に保つためには、うがいも有用です。

この記事では、鼻や喉の機能を高めてバリア力をアップすることで風邪やインフルエンザを防ぐコツ、不快な症状をやわらげるコツをご紹介します。また、「たかが風邪」と思いがちですが、重篤になると肺炎に至るケースもあるので、症状が長引いた場合は受診をおすすめします。

コツ1.喉と鼻には「湿り気」が必要!乾燥を防いで風邪を予防

鼻と喉の粘膜では、びっしりと生えた短い線毛(繊毛)が、侵入してきたウイルスなどを除去します。この線毛の動きを活性化するのが、加温と加湿です。外出時にマスクを着用すれば、鼻や喉を温めて乾燥を防ぎ、風邪の予防につながります。室内で過ごすときは、加湿器を使うのもよいでしょう。ただし、水をためるタンクがカビや雑菌でいっぱいでは、逆効果の場合もあります。洗剤を使ってタンクをこまめに掃除しましょう。

コツ2.うがいやこまめな水分補給で口の中を加湿!

ウイルスが鼻や喉の粘膜に付くと、20分で細胞の中に入ってしまうといわれており、そのままにすると風邪を引きやすくなります。帰宅したらうがいする、温かい飲み物を意識してとる、喉飴をなめるなどで、口の中をこまめに保湿して喉の乾燥を防ぎましょう。緑茶や紅茶に含まれるカテキンには、抗ウイルス効果があるので、緑茶を飲んだり、緑茶でうがいをしたりするのもおすすめです。唾液の分泌を促すマッサージも活用しましょう。

コツ3.苦しい鼻づまりには蒸しタオルの温かさと蒸気が◎

鼻がつまると、「苦しくて不快」「仕事や勉強がはかどらない」だけではありません。鼻呼吸ができずに口呼吸になるので、鼻の線毛の防御機能が発揮しづらくなります。鼻づまりが気になるときは、蒸しタオルを使って鼻を温めてみましょう。鼻づまりは鼻粘膜のうっ血により起こることが多く、加温するとうっ血が解消し、蒸気による加温加湿は線毛の動きを助けます。

コツ4.咳で苦しいときは「加湿」と「温め」がカギ

喉や気管の粘膜が弱っていると敏感になり、少しの刺激でも反応して咳が出やすくなり、肺に負担がかかるので、肺機能も低下します。冷たく乾燥した空気で刺激されると咳が出やすくなるので、外で外気にあたるなどの寒冷刺激をはじめとする刺激を避けるとともに、刺激に敏感になっている粘膜を保護しましょう。室内では、刺激となるチリなどを空気清浄機で除去しながら、安静に。粘膜の保護には加湿が最も重要なので、温かいものを飲んだり、入浴して温めたりするのも有効です。ただし、咳が止まらないときは、受診してください。

靴下や腹巻などで冷えない工夫を

コツ5.緊張やストレスを入浴でやわらげる

風邪の原因となるウイルスなどに感染しても、全ての人が発症するわけではありません。環境要因やその人が備えているバリア力に影響されます。ぬるめのお湯につかってリラックスすると、バリア力を低下させる緊張やストレスをやわらげることができます。シャワーで済ませず、湯船につかる習慣を身につけましょう。

また、お風呂に入ると血めぐりが促されるので、発痛物質や疲労物質が流され、痛みを軽くする効果もあります。「風邪がひどいから今日はお風呂に入らずに寝たい」という日は、足湯もおすすめします。

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