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疲れ目・ドライアイを防ぐための基礎知識【目の仕組みと働き】 よく見られている記事

2016年4月30日

目の疲れは「目の筋肉痛」。眼球の周囲やまぶたの筋肉が緊張すると起こります

眼球の周囲やまぶたには実にさまざまな筋肉がはりめぐらされています。カメラでいえば絞りにあたる虹彩筋(こうさいきん)(*1)が瞳孔の大きさを調節し、毛様体筋(もうようたいきん)がレンズのような役割の水晶体を支え、眼球をがっしりと支える外眼筋(がいがんきん)は目を動かすのを助けています。

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まぶたにも3つの筋肉があります。眼瞼挙筋(がんけんきょきん)とミュラー筋はまぶたを開くときに使い、上下のまぶたにある眼輪筋(がんりんきん)はまぶたを閉じるときに働きます。

私たちが何かを見たり読んだりして「目が疲れた」と感じたら、多くの場合、特定の筋肉だけを使い続けたことが原因。いわば、「目の筋肉痛」です。デスクワークやパソコン作業などで近くのものを凝視する時間が続いた場合などに起こりやすくなります。

*1 虹彩の筋肉のことで、瞳孔括約筋と瞳孔散大筋から構成される

ピントを合わせる筋肉やまばたきをする筋肉が緊張し続けると、疲れ目が起こります

パソコン作業などを続けた場合、どのように疲れ目が起こるかを、もう少し詳しく知りましょう。

ものをはっきり見るためには、距離に合わせてピントを調節する必要があります。近い場所にピントを合わせるときには、水晶体の周囲の毛様体筋がぎゅっと緊張した状態になり、レンズにあたる水晶体が厚くなります。ずっと同じ方向を見続けていると、外眼筋もこってしまいます。

また、画面を凝視すると、まばたきの回数が減り、まぶたの筋肉にもこりや疲れが発生することで、目の疲れを感じます。

(左)遠くを見るときは、毛様体筋が弛緩し、水晶体が薄くなる (右)近くを見るときは、毛様体筋が緊張し、水晶体が厚くなる

(左)遠くを見るときは、毛様体筋が弛緩し、水晶体が薄くなる
(右)近くを見るときは、毛様体筋が緊張し、水晶体が厚くなる

本来、人間の目は遠くを見るためのもの。疲れ目には自律神経が大いに関係しています

私たち人間の目は、自然な環境では遠くを見ることに重点が置かれています。大昔、から、人間の最も重要な仕事は、遠くの獲物を見つけて追う、または敵から逃げることだったからです。

私たちが狩りをしていた時代を想像してみましょう。遠くを見て獲物を追っているときは、瞳孔がしっかり開かれ、「仕事」なので交感神経が優位になっています。危険のない家に戻って近くを見ているときは、リラックスした状態で、副交感神経が働いています。食事時には手元を見たりしています。

ところが現代、私たちの仕事では、近くにある書類やディスプレーを見る時間が増え、目の筋肉は副交感神経が優位になっています。ところが、「仕事」なので、精神的には交感神経も刺激されます。加えて、強い光を発するパソコンやスマートフォンなどの画面が、交感神経をさらに活発化させます。

獲物を追って駆けているはずの仕事中にじっと座っているのも、あるべき姿に反しています。座り続けることで血めぐりが悪くなり、首や肩のこりや疲れ、倦怠感や冷えなどの不調を訴える人が少なくありません。

つまり、私たち現代人は、人間本来の自然な姿とは異なる、アンバランスな状態に置かれているといえます。疲れ目をケアする際には、自律神経のバランスや血行などにも配慮すると、ぐんと快適になる可能性があります。

涙を目に送る大切な「まばたき」。3層からできた涙が、目の表面に水分や栄養を与えます

「水のようなもの」というイメージがある涙。実は、油層、水層、ムチンの3層からなる、透明な血液のようなものです。不足すると、角膜の正常な働きが妨げられてしまいます。

水分や酸素を含んでいる大切な涙を角膜に供給するために、私たちが無意識のうちに行っているのが、「まばたき」です。涙には、異物を洗い流したり、角膜の上にベールをつくって視界をキレイに保ったりする働きもあります。

<3つの層から構成される涙>
油層/外側を覆って水分の蒸発を防ぐ油分は、マイボーム腺から分泌されている 水層/涙の約98%を占めている水分 ムチン/眼球に最も近い場所にある層は、ねばねばしたムチンからできている

油層/外側を覆って水分の蒸発を防ぐ油分は、マイボーム腺から分泌されている
水層/涙の約98%を占めている水分
ムチン/眼球に最も近い場所にある層は、ねばねばしたムチンからできている

涙腺とマイボーム腺からの涙の供給量や成分のバランスが崩れると、ドライアイを招きます

涙を構成する3層のうち、水分とムチンは、涙腺から供給されます。水層とムチン層を覆って蒸発を防ぐ油分は、上下のまぶたの内側にあるマイボーム腺から分泌されています。

涙の量が不足したり、3つの成分がバランスよく供給されなくなったりすると、ドライアイを招きます。特に、パソコン作業などを長く続けると、起こりやすくなります。画面を凝視すると、まばたきの回数が減るからです。エアコンで乾燥したオフィス環境も、目の乾きを加速させる一因です。

また、過剰なアイメイクなどがまぶたの内側の粘膜部分まで覆うと、マイボーム腺からの油分の分泌が妨げられます。この状態が進行すると、バターのように固まった油分がマイボーム腺を詰まらせることがあり、ドライアイの原因として指摘されています。

<涙を分泌する涙腺とマイボーム腺>

涙を構成する3つの成分のうち、水分とムチンは涙腺から、油分はマイボーム腺から分泌されている。マイボーム腺は上下のまぶたの内側にあり、まつ毛の生え際に開口部が並んでいる

涙を構成する3つの成分のうち、水分とムチンは涙腺から、油分はマイボーム腺から分泌されている。マイボーム腺は上下のまぶたの内側にあり、まつ毛の生え際に開口部が並んでいる


 
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