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肩こり・腰痛・腕の痛みを防ぐための基礎知識【痛みやこりの原因】 よく見られている記事

2017年7月25日

背骨(脊椎)とその周囲のさまざまな筋肉が上半身を支えています

人間は他の動物よりも脳が発達しており、頭部の重さが約5kg、脳だけでも1 kg以上あります。これを支えているのは、首から背中へと連なっている小さな骨とその周辺のさまざまな筋肉です。小さな骨は椎骨(ついこつ)と呼ばれ、背骨(脊椎)を構成しています。首や肩に関わる筋肉のうち、最も大きな筋肉は僧帽筋(そうぼうきん)です。

人体に存在する股関節や膝関節といったさまざまな関節の中で、最も可動域の広いのが肩関節です。例えば、脚や膝は、腕(上腕)のように上下左右に動かしたりぐるぐると回したりすることはできません。肩関節は、背中側にある肩甲骨(けんこうこつ)と腕を支える上腕骨(じょうわんこつ)で構成されています。

私たちがスムーズに腕を動かすには、肩甲骨がしっかりと固定されていることが重要です。しかし肩甲骨は大きな骨に支えられているわけではなく、肋骨からは浮いた状態にあり、僧帽筋をはじめとする筋肉に支えられています。また、肩甲骨と上腕骨が接する面積はとても小さく、接合が浅いので、上腕骨の周囲の筋肉が支えることで肩関節を安定させています。

このように、重い頭を支える首や肩は、背骨や僧帽筋などでつながっており、肩は腕の動きにも関わっています。そのため、首、肩や腕、背中や腰などの痛みが同時に起こる場合が多くあります。

<肩こり・首こり・腰痛に関わる主な骨や筋肉>

背骨(脊椎)のS字型カーブが、正しい姿勢を保っています

私たちの体を横から見ると、椎骨(ついこつ)という短い骨が連なった背骨(脊椎)が、前後にゆるやかなS字型のカーブを描いています。椎骨の間には、クッションの役割を果たす椎間板(ついかんばん)があり、靭帯(じんたい)によって連結されています。

背骨のS字型カーブには、上半身の重さを分散したり、衝撃を吸収したりする働きがあります。背骨を前後から支えているのが腹筋と背筋で、加齢や運動不足などにより筋力が弱くなると、背骨の適切なカーブが崩れます。

すると、正しい姿勢が保てなくなり、靭帯や背骨周辺の筋肉、そして腰の部分にある腰椎(ようつい)と呼ばれる5つの椎骨への負荷が大きくなり、腰痛が起こります。姿勢を保とうとして筋肉が緊張するのも、腰の痛みが増す原因です。痛みがあると正しい姿勢を維持できず、体を動かすのを控えるようになるので、さらに腰痛が進む原因になります。

腕や手のたくさんの関節や筋肉が、複雑な動きを可能にしています

私たちの腕は、肩から肘(ひじ)の上腕、肘から手首の前腕に分けることができ、肘でジョイントされた上腕と前腕はそれぞれに幅広い角度に動かすことができます。肘関節は両側にある2つの靭帯に支えられています。

手には、指の部分に14本(親指だけ2本、他の指は3本)、さらに手の甲の部分にはそれぞれの指につながる骨が計5本、小さな骨が8個。全部で27個の骨でできています。これらの指は関節で連結され、小さな筋肉に支えられ、さらに骨と筋肉は腱(けん)というひものような組織でつながっています。腱が骨から浮き上がらないように腱を覆って押さえているのが、腱鞘(けんしょう)です。

腕や肘、手首や指などの痛みは、ほとんどの場合、使いすぎなどで負荷をかけたことによる筋肉の疲労が原因です。重い物を持ったり、長時間酷使したりすると、起こりやすくなります。

留意しておきたいのは、肩から腕、手首、指は、たくさんの関節や筋肉、腱などでつながっているということです。例えば「肘が痛い」と思った場合、肘だけを保護しようとしがちですが、実際は手首や指を動かすことによっても肘に負担がかかるので、肘以外の部分もいたわるようにするとよいでしょう。

首・肩・腰・腕の痛みやこりの多くは、筋肉の疲れによるものです

「首が痛い」「肩がこった」「腰が重い」「腕や手が痛い」などと感じる場合、その多くは姿勢の悪さによる筋肉の疲れから起こっています。例えば、パソコン画面を前のめりで見つめる作業、長時間の同じ姿勢、重心が前に傾きがちな猫背などは、上半身の筋肉の疲れを招きやすくなります。同時に、キーボードを打ち続ける、マウスを何度もクリックするといった動作は、手首や指にも負担をかけます。

目を酷使する作業を続けると、目の疲れと首のこりが同時に起こるケースもあります。また、座りっぱなしも立ちっぱなしも、長時間続けた場合、腹筋を使わなくなる分、体の両側と背面に負荷がかかることで腰痛につながります。横や斜めを向くとき、体そのものの向きを変えずに、腰や背中をねじるクセのある人も、腰痛になりがちです。

姿勢のほか、肥満やなで肩といった体型も、筋肉の疲れを引き起こす原因です。なで肩は肩が下がっている分、首が長くなり、首にかかる負担が大きくなるためです。なで肩を改善することはできませんが、周囲の筋肉を鍛えたり疲れがたまらないようにしたりすることは大切です。肥満に思い当たる人は、体重のコントロールに努め、関節や背骨への負荷を減らしましょう。

なお、じっとしていても痛い、突然激しく痛み始めた、長期間痛みが続く、しびれをともなうなどという場合は、病院に行くことをおすすめします。スポーツや仕事で特定の部位を酷使している人が激しい痛みを感じたときも同様です。

筋肉が疲れると、血行が悪くなり、痛みやこりが起こります

長時間の同じ姿勢や悪い姿勢は、同じ場所に負担をかけ続け、その周囲の筋肉が緊張します。筋肉には収縮と弛緩を繰り返すことで血液を心臓に送るポンプのような働きがありますが、筋肉が緊張して硬くなると血管を圧迫してしまい、血流が滞ります。

血液は、食事や呼吸から取り入れた栄養や酸素を体の各所に供給するほか、二酸化炭素や老廃物、発痛物質や疲労物質などを回収して流し去る働きを担っています。血行が悪くなると、本来なら流し去られるはずの発痛物質や疲労物質が筋肉に留まってしまうため、痛みやこりが起こるのです。

血管の中の血流が滞っている場合、発痛物質や疲労物質が代謝されず、筋肉に滞留するので、首や肩のこり、腰痛などの原因となる

冷えやストレス、喫煙によっても筋肉が緊張し、血行が悪くなります

首や肩のこり、腰痛、腕や手の痛みなどをさらに悪化させるものに、冷えやストレスがあります。体の冷えは、筋肉の緊張を招き、血流が滞るからです。また、ストレスは交感神経を活発にすることで、筋肉を緊張させます。デスクワークなどで同じ姿勢を続ける人は、冷えやストレスにも気をつけるとよいでしょう。

ちょっとした息抜きやリラックスとしてタバコが手放せないという人もいますが、タバコは交感神経を興奮させ、血管を収縮させます。さまざまな疾病のリスクも高まるので、禁煙に取り組むことをおすすめします。

体のこりを防ぐカギは、正しい姿勢と血流促進です

首や肩のこり、腰痛、腕や手の痛みに悩む人は、まず正しい姿勢を心がけてください。特に、首が前方に出る前のめりの姿勢を避け、同じ姿勢を続けるときはストレッチを取り入れて筋肉の緊張をほぐすと効果的です。

全身の血流を促すには、適度な運動をおすすめします。親しい人と一緒にウオーキングを楽しむなど、ストレス解消にもつながるような運動が理想的です。家の中で手軽に実行できる方法としては、入浴があります。温まると血管が拡張して血行がよくなるので、滞留していた発痛物質や疲労物質を流し去ることができます。浮力により体全体の緊張がほぐれる効果や、ぬるめのお湯に入ればリラックス効果も得られます。

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