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学童期の歯のケアとQ&A よく見られている記事

2016年3月30日

一生使う永久歯が生える時期。また、この時期の口の中は乳歯と永久歯が入り混じりとても複雑です。ていねいな歯みがきを心がけましょう。

乳歯から永久歯へ

乳歯と永久歯の違いは?

歯のしくみはほぼ同じですが、永久歯は一生使うものなので、それだけ丈夫。乳歯が1年数カ月で生えてくるのに対し、永久歯は5~6年かけて、歯肉の中でじっくり育まれます。エナメル質や象牙質の厚みは、乳歯の約2倍あります。数も、乳歯は20本ですが、永久歯は28本。親知らずを含めると、全部で32本あります。

乳歯の永久歯のしくみ

乳歯から永久歯に生え変わる時期は?

永久歯は「六歳臼歯」から生え始め、最後に「十二歳臼歯」が生えて、全部の歯がそろいます。六歳臼歯とは、乳歯の奥に生える第一大臼歯。6歳ごろに生えることから、「六歳臼歯」と呼ばれています。

その後、前歯から奥歯に向かって順次生え変わり、12歳ごろ、六歳臼歯の奥に、十二歳臼歯(第二大臼歯)が生えてきます。ただし、生え変わる期間や順序には個人差があります。下に「生え変わる時期の目安」をご紹介していますが、1~2年のずれなら心配することはありません。

 (Schour,I. &Massler,M.による) *第3大臼歯は、俗に「親知らず」とよばれ、生える人と生えない人がいます。

(Schour,I. &Massler,M.による)
*第3大臼歯は、俗に「親知らず」とよばれ、生える人と生えない人がいます。

 

乳歯がぐらついてきたら、抜くべき?

歯は自然に生え変わるもの。抜かなければいけないということはありません。ただ、根を治療している乳歯は、生え変わりが遅い場合があり、抜くこともあります。

また、乳歯の位置と永久歯の位置がずれていると、永久歯が生えにくかったり、歯並びなどに支障をきたす原因になりますから、やはり抜く場合があります。生え変わりの左右の時期が極端に違うときや、永久歯が見えているのに乳歯がなかなか抜けないときは、歯医者さんに見てもらいましょう。

care2_4
乳歯と永久歯の位置が合っているため、スムーズに抜けかわります。永久歯の位置が少しずれているため、乳歯の根が一部残ってしまっています。
この場合は抜歯が必要です。

永久歯の前歯にすき間があり不安

生えたてのころは、正常であっても、前歯の間にすき間が生じることがあります。やがて犬歯が生え変われば、前歯が側面から押され、すき間なく、きれいにならびます。専門家の間では、それまでの間を“みにくいアヒルの子”時代と呼びます。

ただし、余分な歯があったり、上唇小帯(前歯のまん中の歯肉にある筋)が前歯の間に入り込んでいたり、指しゃぶりなどの悪習癖がある場合は、放っておいても治りません。前歯のすき間が大きい場合は、治療が必要なケースが多いので、気になるときは歯医者さんにみてもらいましょう。

永久歯の前歯が生えたてのころは、歯の間にすき間があっても、犬歯が生えると、 側面から押されて、すき間なくきれいに並びます。 (Broadbent,B.H.らによる)

永久歯の前歯が生えたてのころは、歯の間にすき間があっても、犬歯が生えると、側面から押されて、すき間なくきれいに並びます。
(Broadbent,B.H.らによる)

 

生え変わりの時期は歯ぐきが腫れやすい

本当です。生える前の歯は歯肉の中にありますが、エナメル質で覆われている部分は歯肉とくっついていないため、そこに空間ができて汚れが入り込み、炎症(萌出性歯肉炎)を起こしやすくなるのです。歯が歯肉の上に出てしまえば、炎症は起こりにくくなりますが、歯の生え変わる時期には、よりていねいなブラッシングが必要です。子どもだけではきちんと磨けないことも多いので、お父さん、お母さんがチェックと仕上げみがきをしてあげましょう。

care2_6萌出性歯肉炎
永久歯が生えるまではこの部分に汚れがたまりやすく、歯肉が炎症をおこしがちです。

生え変わりの歯が黄色っぽい

永久歯は、乳歯よりもエナメル質の透明度が高いため、中の象牙質がやや透けて見えます。象牙質は少し黄色みを帯びているもの。だから一般的に、永久歯は乳歯にくらべて、少し黄色っぽく見えます。

生え変わり期に大切なことは?

生えたての歯は、酸に弱く、むし歯になりやすいもの。生えてから約2年間は、とくに注意が必要です。また、この時期の口の中は、乳歯と永久歯が入り混じり、とても複雑ですから、汚れもたまりやすくなります。以前にも増して、ていねいな歯みがきを心がけてください。また、歯医者さんで定期的に健診を受け、歯みがきの仕方や生え変わりの進行をチェックしてもらうことも大切です。

生え変わり期のケア

生え変わり期に上手に歯をみがくコツは?

乳歯の奥に生えてくる六歳臼歯は、完全に生えるまでに1年近くかかります。その間は手前の乳歯よりも低い位置にあるので、普通にブラッシングしたのでは、毛先が届きません。このような、生えている途中の段差のある歯は、ハブラシを口の真横から入れてみがくのがコツです。

六歳臼歯のみがき方
六歳臼歯のみがき方

一方、歯が抜けているところは、ハブラシを縦やななめにして、毛先を歯にきちんと当ててみがくのがポイント。生え変わり期の口の中は、乳歯と永久歯が混ざっており、生え始めた歯もあれば、抜けている歯もあります。鏡を見ながら、ハブラシの毛先が届いていることを確かめながらみがくといいですね。

歯が抜けているところのみがき方

抜けた歯のとなりの歯は、ハブラシを縦やななめにして、側面もしっかりみがきます。

 

とくにむし歯(虫歯)になりやすいのはどこ?

平成23年歯科疾患実態調査によると、12歳では平均1.5本の永久歯がむし歯になっています。
小学生がもっともむし歯になりやすいのは、奥歯のみぞ。ハブラシの毛先がみぞの中まで届きにくいので、ハブラシのつま先をみぞの中に押し入れるようにしてみがきましょう。

また、1本むし歯になったら、反対側の歯にも注意を払ってください。たとえば、右の歯がむし歯になると、左の同じところもむし歯になることが多いので、注意してみがきましょう。

奥歯のみぞのみがき方

奥歯のみぞのみがき方

 

歯が抜けているところを磨いて大丈夫?

基本的には大丈夫です。ただ、歯肉はやわらかいので、傷つきやすいことは確か。抜けているところの両側の歯は、歯肉を傷つけないよう、ていねいにみがいたほうがよいでしょう。

生え変わり直後の歯、歯みがき(歯磨き)以外で必要なケアは?

生え変わってすぐの歯は、フッ素を取り込みやすいので、それだけ効果も期待できます。歯医者さんでフッ素塗布してもらうとよいでしょう。ハミガキもフッ素入りのものがおすすめです。フッ素が歯に取り込まれると、エナメル質の表面が丈夫になり、むし歯になりにくくなります。

1日に何回歯みがき(歯磨き)すればいい?

歯みがきは就寝前を含んで1日に2回以上磨きましょう。

寝ている間は、起きているときよりも、唾液の量が減少します。唾液量が少ないと、むし歯菌を洗い流すことができず、むし歯菌が口の中に長く停滞し、繁殖してしまいます。また、唾液には酸を中和する働きがありますが、唾液の量が少ないと、むし歯菌が作り出した酸を中和できず、歯が溶け出しやすくなります。だから、むし歯予防には、就寝前の歯みがきが重要なのです。

仕上げ磨きはいつまで続けるべき?

自分で歯みがきするようになっても、まだきちんとみがけていない可能性があります。小学校低学年までは必ず親の手で“仕上げみがき”をしてください。仕上げみがきは、むし歯になりやすい奥歯のみぞや、歯と歯の間を重点的にみがくのがポイントです。

お子さまが寝かせみがきを嫌がるようでしたら、前に立たせて、後ろからのぞきこむような姿勢でみがくとよいでしょう。

寝かせみがきを嫌がるときは、 子どもを前に立たせて、 後ろから口の中を のぞきこむような姿勢で みがきます。

寝かせみがきを嫌がるときは、子どもを前に立たせて、後ろから口の中をのぞきこむような姿勢でみがきます。

 

むし歯(虫歯)を予防するために、口の中をどのような状態にしておけばいい?

歯についた歯垢で酸が作られると、歯の表面のエナメル質が溶けていきます。これがむし歯の始まり。ですから、できるだけ歯垢を残さない、歯垢で酸を作らせない、そして、酸性の状態を極力短くする、この3つを心がけることが大切です。

歯垢で酸が作られるのは、ものを食べたとき。とくに砂糖を多く含んだお菓子やジュース類をとったときです。口中にすみついているむし歯菌は、砂糖を栄養にして「酸」を作り、時間とともに増殖していきますから、砂糖の多いもの、とくに歯にくっつきやすいもの、口の中に長時間入れているものをとると、それだけ長い時間、酸性に傾くわけです。

特に、いつまでもだらだら食べるのも禁物。おやつは時間を決めて、食べるように習慣づけましょう。

むし歯の発生要因

小学生でも歯周病になる?

小学生の歯肉炎は約40%にものぼります。歯肉炎の原因は、歯と歯肉の境目にたまった汚れですから、歯をみがくときは、みぞだけでなく、境目にも注意しましょう。歯肉炎の段階なら、きちんと歯みがきすれば、腫れていてもちゃんと治ります。子どものころの習慣は、大人の歯周病にも大きく影響するもの。今から正しいみがき方を覚え、歯みがきの習慣をつけておくことは、とても大切なことです。

歯並びほか

乳歯のむし歯(虫歯)は、歯並びに影響する?

歯並びが悪くなる原因はいろいろありますが、そのひとつが乳歯のむし歯。乳歯がむし歯などで早く抜けてしまうと、永久歯は目標を失って、正しい位置に生えることができません。

また、乳歯がひどいむし歯で、根の治療をしていると、いつまでも抜けず、新しく生えてくる歯の妨げとなり、違う場所や方向に生えてしまいます。乳歯は生え変わるからとおろそかにせず、きちんとケアして、むし歯にならないようにしましょう。

このほか、指しゃぶりや歯ぎしりなどのクセ、のどや鼻の病気なども、歯並びに影響します。

歯並びが悪くなる例
care2_12_01はやく乳歯が抜けたため、まわりの歯がすき間によってきて、生えるスペースがなくなり、ちがう場所に生える。care2_12_02乳歯がむし歯でいつまでも抜けず、生えてくる歯の妨げとなり、ちがう場所に生える。

歯ならび・かみあわせを悪くするクセ

歯並びが悪いと、むし歯(虫歯)になりやすい?

歯並びが悪いと、ハブラシの毛先が届きにくいところが増えますから、そこに汚れがたまって、むし歯や歯周病になりやすくなります。実際、高齢者で自分の歯がたくさん残っている人の多くは、歯並びのよい人のようです。

年に何回ぐらい健診に行けばいい?

子どものうちはむし歯の進行が早いので、定期健診は1年に3~4回を目安に受けることをおすすめします。とくに、小学生の間は、歯の生え変わりや歯並び、歯みがき方法に問題がないか、チェックしてもらう意味でも、こまめに健診を受けたほうがよいでしょう。

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