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肩こりや腰痛がツラいのは、更年期のせい?それとも年齢のせい? よく見られている記事

2016年12月20日

肩こりや腰痛がツラいのは、更年期のせい?それとも年齢のせい?

更年期を迎える時期は、筋肉や骨の機能が低下したり骨密度の減少が現れたりする頃と重なることから、肩こりや腰痛に悩み始める人が増えます。まずは、正しい姿勢を心がけることで背骨(脊椎)への負担を減らすことが大切。食生活や入浴などの生活習慣にも配慮することも、肩こりや腰痛の予防や改善につながります。

筋肉疲労と骨の老化が、更年期の頃に目立ってくるのが原因です

肩こりや腰痛などを引き起こす更年期特有の要因としては、自律神経の失調により、背骨(脊椎)周辺の筋肉や組織の血流が滞り、冷え症になるケースが挙げられます。

しかし多くの場合は、頭を支えてきた筋肉や骨の機能が、長年の疲労や加齢により低下したのが理由です。筋肉疲労や骨密度の減少が現れるのが更年期の頃と考えたほうがよいでしょう。肩こりや腰痛の有訴者率が、更年期を過ぎたと思われる年代でも増える一方であることからも(図1)、更年期だけが原因ではないことがうかがえます。

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図1/厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」(平成25年)より作図

 

私たちの背骨(脊椎)は椎骨という短い骨のつながりで、その間に椎間板というクッションがはさまれています。加齢とともに椎間板の水分が減ると弾力性が低下し、強い力を吸収できなくなり、周囲にダメージを与えることで肩こりや腰痛を招きます。また、骨量の維持に貢献していたエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が更年期を境に低下するため、骨密度の減少も進みます。

肩こりや腰痛を防ぐためだけではなく、将来をいきいきと自立して過ごすためにも、閉経を迎える前から、骨量や筋肉量の維持に努めることが大切です。できれば定期的に骨密度を測定しましょう。

知っておきたい!更年期の肩こりや腰痛を防ぐ5つのセルフケアのコツ

「肩こりや腰痛がツラいのは、更年期のせい?それとも年齢のせい?」。更年期を迎えた世代の女性が気になる肩こりや腰痛の対策や予防法などをご紹介します。簡単に実行できるセルフケアを取り入れて、きびきびと元気に活動できる体を育みましょう。

コツ1.「正しい姿勢」を知るのが肩こりや腰痛を防ぐ第一歩

肩こりは、パソコン作業、車の運転、手芸など、頭が前に出る前かがみの姿勢を習慣化した場合などによく起こります。腰痛は、腰に大きな負担がかかる作業のほか、ひねったりねじったりすることが多い人に発生する傾向があります。仕事や介護などで長時間同じ姿勢をとる場合は、休憩時間に軽く体を動かして、疲れた筋肉をほぐしてください。

肩こりや腰痛の基本的な対策は、まず「正しい姿勢」です。背骨(脊椎)は横から見ると首の部分で前方に凸、肩甲骨のあたりで後方に凸、腰で前方に凸のカーブを描いています。この綺麗な曲線を意識しながら、背筋を伸ばすよう心がけてください。あごを引き、頭が前に出過ぎないようにするのもポイントです。

<立つときの基本の姿勢>

コツ2.肥満の人はBMIをチェック!喫煙者は今すぐ禁煙

「肥満や喫煙が、体の痛みと関係があるの?」と不思議に思うかもしれませんが、肥満は腰に大きな負担をかけ、喫煙は血流を低下させるので椎間板の代謝が悪くなります。肥満に関しては、目安としてBMI(図2)があり、24.2以上が過体重、26.4以上が肥満とされています。BMIが24.2以上の人は食生活を見直し、運動する習慣を身につけてください。

<BMI算出方法>

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図2/BMIとは、Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略で、国際的に用いられている肥満度の指標。成人の場合、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で判定される。体重(kg) ÷ 身長(m)÷身長(m)と計算しても求めることができる。体重60kg、身長160cmの人のBMIは約23となる

 
タバコは他のさまざまな疾病も招く要因です。「禁煙しても健康への影響が出るのはずっと先」と思いがちですが、禁煙には長期だけでなく即効的なメリットもあります。今現在も高齢になってからも元気に過ごすために、ぜひ禁煙に取り組んでください。

コツ3.適度な運動やストレッチで骨量をキープ

適度な運動は、閉経後に減少する骨量をキープするだけでなく、血行を促進し、気分をスッキリさせる効果も期待できます。更年期の健康づくりとして積極的に取り入れたい習慣です。

室内で手軽に体を動かす方法として、肩こりや腰痛を予防するストレッチをご紹介します。同じ姿勢を続けてこり固まっている部分や、ひねったりねじったりして疲労している部分を、ゆっくりとほぐすようにします。ただし、痛みがひどいときは無理に動かさず、整形外科を受診してください。

<肩と背中の伸び伸びストレッチ(*1)>

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立って両手を上げて手のひらを上に向けて組む。両手を上に伸ばして静止してから、上半身全体を右側に倒し、体の左側を伸ばす。次に同様に左側に倒す。上半身が手のひらの方向に引っ張られるような感覚を意識してするとよい

 

<ぐるぐる腰回しストレッチ(*2)>

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両足を肩幅に開いて立ち、両手を腰に当てる。次に上体を動かさないようにしながら、足や腰をリラックスさせる感覚でゆっくり大きく回す。回転する方向を左右に変えて、合計10回くらい行う

*1*2 参考:丸本百合子『更年期を美しく、らくに過ごす』(女子栄養大学出版部、2001)

更年期は、「子どもに手がかからなくなったから、そろそろ働き始めよう」という人が増える時期でもあります。職場で新しいことを必死に覚え、慣れないパソコン作業に没頭するといった状況は、肩こりや腰痛だけでなく、ストレスの原因になったり、VDT症候群(*3)のような疲れにつながったりします。緊張をときほぐし、目の疲れを癒すセルフケアにも目を向けてください。

*3 Visual Display Terminal Syndromeの略。パソコンなどのディスプレイやキーボード類を使う作業を続けることで、肩や首、目、心の健康に影響が及ぶ状態のこと

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▼関連記事:パソコン画面と向き合う仕事なので、夕方になると疲れ目がひどい。目の奥も重い

コツ4.カルシウムとビタミンDを積極的に補給して骨量をキープ

骨量の減少を防ぐために十分にとりたいのが、骨の主成分であるカルシウムと、カルシウムの吸収に不可欠なビタミンDです。カルシウムを豊富に含む食材は、小魚や牛乳、小松菜、チンゲン菜、大豆製品など。ビタミンDは魚やきのこ類に多く含まれています。

食生活を急に変えるのは難しいので、「今日の主菜は何にしよう」と迷ったときは魚料理にしたり、外食のときに小鉢料理をプラスしたりと、ちょっとした心がけでカルシウムやビタミンDを補ってください。特定の食材だけに頼るのではなく、いろいろな食材をバランスよく楽しみ、塩分のとりすぎに気をつけるのも忘れないようにしましょう。

コツ5.入浴+運動の“合わせワザ”で肩こりや腰痛をケア

入浴で血行をよくすることで、肩こりや腰痛がやわらぐことがあります。軽い運動を組み合わせれば、さらに血行を促すことができます。湯船につかってシャワーを当てながら首や肩を回す、バスタブのふちを持って腰をゆっくりひねるなどの方法がおすすめです。

▼関連記事:肩こり・腰痛対策―すぐに役立つ健康入浴法(4)

自律神経の失調が原因で冷えを招いている場合は、小さな不調や腰痛につながるケースもあります。そんなときにもお風呂が効果的です。お湯の温度は40℃前後、全身浴で10分以上、半身浴なら20分以上を目安に、体を芯まで温めて、冷えを防いでください。

▼関連記事:冷え対策―すぐに役立つ健康入浴法(3)

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