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【からだキレイ史】やんごとなき方たちの入浴事情

2016年7月8日

【からだキレイ史】やんごとなき方たちの入浴事情

現代の私たちにとって、「入浴」は体を清潔にするための日常的な衛生習慣。その昔は宗教的・医療的な意味合いもあり、寺院での“施浴(せよく)”によって人々の生活に浸透しました。平安時代になると、庶民の共同浴場が生まれていたようです。それでは、身分の高い人はどんなふうに入浴していたのでしょうか。

各種イベントには欠かせない!大切で神聖な入浴

宮中での即位式や婚儀、将軍の任命式、新年や大晦日…。このようなとき、身分の高い人々に欠かせないのが入浴でした。大切な行事を迎えるにあたり、心身の穢れ(けがれ)をはらう意味を込めて、儀式として沐浴(もくよく)をしていたのです。この世に誕生したときには、誕生湯(産湯)により身を清めていました。

多い?少ない?貴族でも「入浴+プチ入浴」で2~3日おき

優美な文化が花開いた平安時代、貴族たちの入浴回数は1カ月に4~5回ほど。朝廷の儀式や法会に参列する際に行う行水やかかり湯のような「小浴」と合わせても、2~3日おきでした。

ちなみに、この頃の一般的な「入浴」は、温水につかることではなく、蒸気を利用したサウナのような「釜風呂」に入ることでした。しかし宮中では、釜殿とは別に湯殿が設けられていたようです。

昔の浴槽を今のユニットバスの大きさで考えると?

平安時代の法令集『延喜式』によると、個人用の浴槽の大きさは「長五尺二寸、広二尺五寸、深一尺七寸、厚二寸」。これを現在のサイズに換算してみると、長辺158センチ×短辺76×高さ52センチ、厚みは6センチほどです(*1)。

現代ならば、1616や1620サイズなどのユニットバス(システムバス)に収まる大きさ(*2)。昔の日本人は今より小柄だったので、私たちよりもゆったりした気分を味わえたかもしれません。

*1 いずれも約。一尺=30.303センチとして換算し、小数点以下は四捨五入した
*2 ユニットバスの浴槽の大きさは商品により異なるが、長辺157センチの浴槽はユニットバスの1616や1620などのほか、1717や1818サイズにも収まる

参考文献:花王石鹸資料室編(1971)『日本清浄文化史』花王石鹸、落合茂(1973)『“洗う”文化史話』花王石鹸資料室編,花王石鹸

 
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