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片頭痛や緊張型頭痛を防ぐための基礎知識【頭痛の原因と対策】 よく見られている記事

2017年2月2日

頭蓋内の痛覚感受部位が受けた刺激から頭痛が起こります

私たちが「頭が痛い」「頭痛がする」と感じるとき、頭蓋(ずがい)の骨や脳そのものが痛いわけではありません。頭蓋の中にある痛覚感受部位が受けた刺激が三叉(さんさ)神経などを伝わり、大脳が「痛い」と判定すると、「頭が痛い」と感じます。

痛みを感知する痛覚感受部位に当たるのは、脳内の血管と、脳と脊髄を覆う硬膜です。これらの血管と膜に炎症が起こったり、圧迫されたり引っ張られたりした場合などに、頭痛が発生します。また、首や肩など、頭部周辺の筋肉の緊張も、頭痛の原因となります。

三叉神経とは、12種類ある脳神経のうち最も大きな神経で、目、上顎、下顎へと3つの枝に分かれてつながっていることから、三叉神経という名前で呼ばれています。片頭痛(偏頭痛)には三叉神経が影響していると考えられています。

<頭蓋内の痛覚を感受する部位>

痛みを感受するのは、脳内の血管とその膜。上図が示すのは脳動静脈

頭痛は主に「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます

一次性頭痛
頭痛の種類はさまざまで、2013年に発表された国際頭痛学会の分類では、約350種類もの頭痛があります。いわゆる“慢性頭痛”や“頭痛持ち”の頭痛に該当する頭痛は、頭痛の原因となる他の病気がないのに繰り返し起こる「一次性頭痛」に分類され、片頭痛や緊張型頭痛が含まれます。

二次性頭痛
何らかの病気が原因で起こる頭痛は「二次性頭痛」に分類され、頭部の外傷によって起こる頭痛から、登山や潜水による頭痛など、いろいろなタイプの頭痛が含まれます。中でも注意したいのが、くも膜下出血や髄膜炎といった、命にかかわる病気が原因の頭痛です。今までに経験したことのないほど激しい突然の頭痛、高熱や嘔吐、項部硬直(首を動かしにくい状態)を伴う頭痛の場合は、すぐに病院へ行きましょう。

片頭痛はズキンズキンとした痛みが長く続くのが特徴です

片頭痛は20~40歳代の女性に多くみられる頭痛で、強い痛みのせいで日常生活に支障をきたす人もいます。片頭痛の詳しいメカニズムは解明されていませんが、脳の血管が拡張し、その周囲の三叉神経が刺激されて生じると考えられています。血管の拡張に関連するとされているのが、セロトニンという神経伝達物質です。

頭痛が起こる前兆としてキラキラした光が見える、こめかみから目のあたりにかけて痛む、心臓の鼓動に合わせてズキンズキンと痛む、またはガンガンする、光や音で悪化する、めまいや吐き気がするなどが片頭痛の特徴的な症状ですが、現れ方には個人差があります。片頭痛が起きる数日前や数時間前から、生あくび、イライラ、空腹感などの体調変化を感じる人もいます。

片頭痛を引き起こす要因としては、ストレスをはじめ、急激な気圧や気温の変化、騒音や人混み、睡眠不足や睡眠過多などが挙げられます。チョコレートやピーナッツなどの特定の食品が片頭痛のきっかけとなるといわれていますが、仕組みはよくわかっていません。アルコールは、血管を拡張させることで片頭痛を誘発すると推測されています。女性の場合は、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下する排卵時のほか、月経(生理)の数日前から月経期にかけて起こることもあります。

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<頭痛に関与する神経>

第1枝の眼神経、第2枝の上顎神経、第3枝の下顎神経に分かれる「三叉神経」や、第1枝の眼神経から分かれた小脳テントに分布する「テント枝」が、頭痛の発生に関連している

緊張型頭痛は頭を締めつけられるような痛みが特徴です

片頭痛のズキンズキンとした強い痛みに対して、頭を締めつけられたような鈍い痛みがダラダラと続くのが緊張型頭痛です。「頭を鉢巻きでギューッと締めたように痛い」「ヘルメットをかぶったように痛い」「頭がずーんと重い」と表現する人もいます。

緊張型頭痛は、デスクワークや運転などで同じ姿勢を長時間続けた場合に、こめかみの部分にある側頭筋(そくとうきん)や、首から肩に広がっている後頸筋(こうけいきん)や僧帽筋(そうぼうきん)などの痛みやこりによって起こると考えられています。また、ストレス、緊張、不安、うつ状態といった精神的な不調も、脳が痛みを敏感に感じる原因となっている可能性もあります。

緊張型頭痛を改善するには、心身のリラックスが基本です。同じ姿勢をとり続けるのを避けて首や肩がこらないように注意するほか、首や肩の冷えを防いで血流が悪化しないようにする、ぬるめのお風呂につかってストレスを解消するなどが効果的です。

<頭痛に関わる主な筋肉>

鎮痛薬の使いすぎが頭痛の原因になる場合もあります

ひどい頭痛に悩まされ、仕事や家事に影響が出る人は、「頭痛薬を飲めばとりあえずラクになるから」と習慣的に服薬し、市販の鎮痛薬や頭痛薬を手放せなくなっているケースがあります。また、薬が効かなくなっているのに同じ薬を飲み続ける、痛みはないのに安心するために飲むという人も多いようです。ところが、頭痛を治すために飲んでいる薬が、逆に頭痛をひどくする原因になる場合があります。

鎮痛薬を日常的に飲み続けると、脳などの中枢神経が敏感になり、痛みを感じやすくなります。すると、頭痛が起きやすくなる上、薬が効きにくくなるという悪循環に陥ります。このような頭痛を、薬剤の使用過多による頭痛と呼びます。鎮痛薬を月に15日以上かつ3カ月以上服薬している人は、受診して医師の指導のもとで服薬してください。同時に、日常生活に潜んでいる頭痛の原因を軽減することに努めましょう。

「頭痛ダイアリー」をつけると改善や治療に役立ちます

頭痛の症状の現れ方には個人差があり、片頭痛と緊張型頭痛を併発している場合もあります。慢性的な頭痛に悩まされている人は、「頭痛ダイアリー」をつけてみませんか。

手帳やカレンダーなどに、頭痛になった日や痛みの強さ、食べたもの、服薬したタイミング、音や光が気になったかどうかなどをメモしましょう。女性の場合は、月経期間も記入してください。自分の頭痛のペースなどを客観的に把握でき、対策が見つかる場合があります。「どうやって書けばいいのかわからない」という人は、(一社)日本頭痛学会の公式サイトに用意されている「頭痛ダイアリー」のフォーマットをダウンロードして利用しましょう。

頭痛の記録は、病院に行く際にも役立ちます。頭痛の原因はさまざまで、正確に説明するのが難しい場合もあります。何度か診察してもらっても頭痛が治らないという場合は、頭痛専門外来(*1)の受診をおすすめします。

*1 一般社団法人日本頭痛学会の公式サイト内「医療機関・医師を探す」から認定頭痛専門医を検索できる(2016年12月時点)

 
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