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便秘・下痢を防ぐための基礎知識【消化器の仕組みと働き】

2016年9月16日

大腸まで届いた便は、胃に食べ物が入るのをきっかけに排泄されます

私たちが食べたものは、口の中でかみ砕かれた後、食道を通って胃で消化され、ふにゃふにゃの状態になります。次に、十二指腸から小腸へと送られ、さらに消化が進み、栄養分が体内に吸収されます。その後、大腸に送られ、今度は水が吸収されて、水分が少ない固形状になっていきます。

(1)食べ物を口でかみ砕く (2)(3)食道を経て胃でふにゃふにゃに消化する (4)(5)十二指腸・小腸でもさらに消化しながら、栄養分や水分を吸収する (6)胃に食べ物が入ると大腸の蠕動(ぜんどう)運動が始まる (7)S字結腸(大腸の一部)に届いていた便は直腸へと送られる (8)届いた便の“圧”を直腸が感じると、それが脳に伝わる (9)便意が起こり、脳からの命令を受けて、腹圧をかけると肛門から排出される

(1)食べ物を口でかみ砕く
(2)(3)食道を経て胃でふにゃふにゃに消化する
(4)(5)十二指腸・小腸でもさらに消化しながら、栄養分や水分を吸収する
(6)胃に食べ物が入ると大腸の蠕動(ぜんどう)運動が始まる
(7)S字結腸(大腸の一部)に届いていた便は直腸へと送られる
(8)届いた便の“圧”を直腸が感じると、それが脳に伝わる
(9)便意が起こり、脳からの命令を受けて、腹圧をかけると肛門から排出される


 私たちが何かを食べたり飲んだりして胃にものが入ると、その刺激をきっかけに大腸の蠕動(ぜんどう)運動が始まります。これを胃・結腸反射(いけっちょうはんしゃ)と呼びます。このとき、大腸の中のS字結腸という場所に届いていた便は、直腸へと送られます。直腸が“圧”を感じると、その情報が脳へと伝わり、脳からの指令で便意が起こります。一般的に、便意が起こるのは1日に1~2回程度といわれています。

また、「何も食べなければ便は出ない」と思いがちですが、実はそうではありません。小腸の面積はテニスコート1面分ともいわれるほどひだがあって広く、新陳代謝により相当量の細胞が生まれ変わっています。はがれ落ちた古い細胞のカスも便となって排泄されるので、絶食しても便はつくられます。

便の硬さや色をチェックしておくと、体調の変化に気づきやすくなります

便は大腸の中で水分などを吸収されて徐々に硬くなっていきます。そのため、便が腸に長くとどまっている便秘の場合は、水分が少なく、硬くてコロコロしています。

下痢になると、泥や水のような軟らかい便が出ます。これは、腸の蠕動運動が過剰になりすぎて、消化されたものが大腸の中を急速に通過してしまい、水分がきちんと吸収されなかったためです。

<さまざまな便のタイプ>

バナナ1本~1本半程度の量で、バナナのように軟らかく、いきめばスルリと出てくるなめらかな便が理想

バナナ1本~1本半程度の量で、バナナのように軟らかく、いきめばスルリと出てくるなめらかな便が理想

 
便の量や硬さだけでなく、色にも注意を。黒い便、白い便 表面に血がついた便などに気づいたら、病気が潜んでいる可能性があるので、受診をおすすめします。体調の変化に早めに気づくためにも、トイレタイムで便の状態をチェックする習慣を身につけましょう。

排便のペースは人それぞれ。自分のリズムをつかみましょう

「正常な排便は1日1回」というイメージが浸透しています。ですが、それが全ての人にとって健康なリズムとは限りません。「1日に2回お通じがある」「2日に1回」という人でも、お腹の痛みや張りなどの不快感がなく、排便習慣がリズミカルに続いていれば、特に問題がない場合も多いのです。

女性は生理のときに排便のペースが崩れる場合がありますが、生理中の数日間に限ったことならば、それほど気に病む必要はありません。1カ月という広い範囲で考えれば、一定のリズムを刻んでいると考えられるからです。

気をつけたいのが、「便秘薬を飲まないとお通じがこない」というように、薬に頼りすぎているケースです。体に本来備わっている力を引き出すためには、毎日の食事や生活習慣の見直しが先決です。

食生活などを見直す手がかりとしておすすめなのが、「排便日誌」です。まずは、食事の内容や時間、排便の時間や便の状態などを簡単に記録してみましょう。食事と排便の関係に気づいたり、「便秘だと思っていたけれどそうでもなかった」と発見できたりすることも多く、改善のヒントがつかめるかもしれません。また、排便の悩みが長引いて病院へ行くことになった場合は、診断の一助になります。

腸の働きは自律神経によってコントロールされています

脳と腸は自律神経によってつながっているので、排便はストレスの影響を受けることがあります。自律神経のうち、ストレスを感じているときや緊張しているときは交感神経が、リラックスしているときには副交感神経が活発になります。

腸の蠕動活動や消化・吸収の働きは、副交感神経が優位なときに促進されます。ストレスを感じやすいタイプの人は、交感神経が優位になりがちなので、腸の不調を招きやすくなります。また、不規則な食事や夜更かしなども自律神経のバランスを崩す原因になります。
 
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