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高齢期の歯のケアとQ&A よく見られている記事

2016年3月30日

歯が失われる主な原因は、むし歯(虫歯)と歯周病です。高齢になると唾液の分泌量が減ることで歯周病やむし歯(虫歯)になるリスクが高まります。80歳になっても、健康な自分の歯を20本保ちたいものです。

高齢期の歯と歯肉

「8020運動」ってなに?80歳で歯は何本くらい残っているの?

成人の歯は、本来28本(親知らずを含めると32本)。それが、40代くらいから徐々に失われはじめて、60歳では約20本、80歳では約10本にまで減ってしまいます。「8020運動」とは、「80歳になっても、健康な自分の歯を20本保とう」という、厚生労働省が提唱している運動ですが、平成23年の調査によると、80歳で歯が20本以上残っている人は、残念ながら4人に1人といったところです。

1人平均の歯の本数

平成23年度「歯科疾患実態調査結果」(厚生労働省)より作図

 

歳をとると、なぜ歯が抜けるの?

歳とともに歯が抜ける人が多いのは事実ですが、これは老化現象ではありません。歯が失われる主な原因は、むし歯と歯周病。実際、高齢者の80%以上に、歯周病の何らかの所見がみられます。

むし歯や歯周病を引き起こす原因のひとつは、お手入れ不足です。さらに、高齢者では唾液の分泌量が減るため、口の中の自浄性が低下し、若いときより、歯周病やむし歯になるリスクが高くなるのです。また、歯周病などで歯肉が下がると、歯根が出てしまい、そこにむし歯ができやすくなります。

こうして、歯が1本でも抜けると、歯と歯の間にすき間ができ、汚れがたまったり、かみ合わせが悪くなったりして、むし歯や歯周病が進行し、歯がさらに失われてしまうのです。

骨粗鬆症のように歯もスカスカになる?

骨は代謝を繰り返していますが、歯は骨のように代謝していません。長年使っていると、すり減ったり、やや硬くもろくなる傾向はみられますが、骨のように、密度が低くなることはありません。

歳とともに、口臭が強くなるのはなぜ?

口臭の原因は、多くの場合、口の中にあります。たとえば、歯周病やむし歯が進行していたり、かみ合わせが悪くなって食べ物のカスがはさまりやすくなっていたりすると、口臭が気になることがあります。

また、唾液には、口の中を自浄する役割があるのですが、その分泌量は高齢者では減少します。高齢になると、薬を飲む機会も多くなりますが、その副作用でさらに唾液の分泌量が減ることがあります。また、入れ歯を入れている場合は、唾液の流れまで悪くなります。結果、口の中の自浄性が低下し、細菌が繁殖しやすくなり、口臭が強くなったように感じるのです。

気になる方は、口臭予防効果の高いデンタルリンスをお使いになってみてはいかがでしょうか。

最近、口が渇きやすい

唾液の分泌量は、年齢とともに減少する傾向があります。また、常用している薬の副作用やストレスなどの影響で減ることもあります。このため、高齢になるにつれ、口の渇きを感じる人が増えてきます。本来、唾液には口の中をきれいに維持する働きがあるのですが、唾液の分泌量が減少すると、その働きが低下し、口の中で細菌が増殖。ネバつきや口臭、ひいてはむし歯や歯周病の原因となってしまうのです。

口が渇きやすいときは、食事の際にはものをよくかんで食べ、唾液の分泌を促しましょう。また、梅干などのすっぱいものを食べると、唾液の分泌量が増えるので、朝など、唾液が出にくいと感じるときは、すっぱいものを食べるのも、ひとつの方法です。

さらに、唾液腺のある場所を軽くマッサージしたり、舌を意識的に動かすことも、唾液の分泌を促すのに有効です。

また、唾液の分泌量が減りネバつきが気になる時は、細菌が繁殖しやすいので抗菌剤配合の洗口液の使用などもおすすめです。

高齢者の歯のみがき方と歯肉のケア

若いころとは、みがき方を変えた方がいいの?

高齢期ではとくに、歯周病や根面う蝕(歯の根元部分のむし歯)を考えたケアをおすすめします。歯周病や根面う蝕の原因は、歯と歯肉の境目にたまった歯垢などの汚れ。歯をみがくときは、歯と歯肉の境目にななめにハブラシを当て、小刻みに動かし、ていねいに歯垢を落としてください。ただし、歯の根元はやわらかくて削れやすいので、力の入れすぎに注意してください。

歯周病予防には、歯をみがいた後、仕上げにハブラシで歯肉をマッサージし、歯肉全体の血流を促すのがおすすめです。ハブラシのわきを歯肉に当て、くるっと回転させながらみがき、歯肉に適度な刺激を与えましょう。

歯が抜けたところは、どうやって磨けばいい?

歯が抜けたところは、ハブラシを横から入れてみがくのがポイント。口の横からハブラシを入れれば、歯の側面もきれいにみがけます。また、歯が何本か抜けると、かみ合わせが乱れ、歯と歯の間にすき間ができて、ものがはさまりやすくなります。そんなときは、すき間を念入りにみがきましょう。

care6_3歯が抜けたところのみがき方
ハブラシを横から入れて、歯の側面もきれいにみがきます。

さし歯やブリッジがある箇所は、どうやってみがけばいいの?

「さし歯」は、自分の歯の根に土台を立て、土台に冠をかぶせたもの。お手入れが悪いと、せっかく残った歯の根がむし歯になってしまいます。さし歯と歯肉の境目に、ハブラシの毛先をきちんと当てて、ていねいにブラッシングしましょう。

「ブリッジ」は、橋をかけるように、抜けた歯の両側の歯に冠をかぶせて、抜けた部分に人工歯を補うというもの。正しいケアをしないと、両脇の土台にした歯から歯周病になりやすいので、この両脇をしっかりとケアすることが大切です。ただし、ブリッジの下に普通のハブラシは入りませんから、この場合は歯間ブラシを利用します。歯間ブラシを使うときは、歯肉に沿ってななめ下から入れるのがコツです。

care5_8
歯と歯肉のさかいめに、毛先をきちんと当てて、小刻みに動かしてみがく。ダミー(人工歯)の下の清掃が大切です。歯間ブラシを歯肉に沿って、ななめ下から入れてみがくのがコツ。

歯肉がやせて、歯のすき間が気になる

歯肉がやせて、すき間ができると、汚れがたまりやすくなります。たまった汚れは、歯周病をさらに進行させてしまうので、きちんとていねいにブラッシングすることが大切です。

ていねいにブラッシングすると、一時的に歯肉が引き締まって、さらに歯肉が下がった感じがするかもしれませんが、この引き締めが、歯の健康を保つには重要 です。ていねいにみがくことで、今以上に歯肉が下がるのを防げるのです。しかし、歯と歯のすき間は、普通のハブラシでは届きにくく、なかなかきれいにみが けないもの。すき間をきちんとみがけるように設計されたハブラシや歯間ブラシを使うといいですね。

球と極細ハブラシ

極細毛と球状毛を組み合わせたハブラシなら、歯と歯の間に毛先が届き、効率的に歯みがきできます。

 

極細毛と球状毛を組み合わせたハブラシなら、歯と歯の間に毛先が届き、効率的に歯みがきできます。
 
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