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知っておきたい!「炭酸泉」の効果【健康豆知識】 よく見られている記事

2016年12月28日

知っておきたい!「炭酸泉」の効果【健康豆知識】

入浴や美容に関連する用語として「炭酸」という言葉を耳にする機会が増えました。しゅわしゅわとした細かい泡に含まれた炭酸ガスに、どのような働きがあるか、知っていますか?ここでは、世界や日本の炭酸泉や、炭酸ガスの力を活用した入浴について紹介します。

炭酸ガスが溶け込んだ炭酸泉は、ヨーロッパに多く存在します

天然温泉は、単純温泉、塩化物泉、硫酸塩泉、イオン泉など、さまざまな種類に分類されます。その中で、日本よりもヨーロッパに多く存在するのが、炭酸ガスがお湯に溶け込んだ炭酸泉(二酸化炭素泉)。血管、心臓などの障害を治療するほか、リハビリテーションにも使用されています。ヴィースバーデンやバーデン・バーデンなど、古代ローマ時代から存在する温泉保養地を有するドイツでは、炭酸泉は「心臓の湯」と呼ばれています。

天然の炭酸泉の湧出には多くの条件が絡み合っていますが、日本に比べてヨーロッパに炭酸泉が多い理由として、源泉の温度の違いが挙げられます。炭酸ガスは源泉が低温なほうが大量に包含できます。しかし、火山活動の盛んな日本の源泉は高温なため、炭酸泉が少ないといわれています。

日本で湯治といえば温泉につかることをイメージするのに対し、湯温の低い温泉が多いヨーロッパでは、温泉水を飲用することも大切な湯治であり、ぬるめのお湯に長時間つかる入浴法が推奨されていた(*1)そうです。

*1 出典:落合茂(1973)『“洗う”文化史話』花王石鹸資料室編,花王石鹸

日本の炭酸泉は、「ラムネ湯」とも呼ばれています

ヨーロッパほど多くないものの、日本にも名湯として知られる炭酸泉があります。例えば、銀色の泡が心身を癒す大分県の長湯温泉は、江戸時代の藩主による「御前湯」がつくられたほか、著名な文人から愛されたことでも有名。小さな気泡が体中を包むようすを「ラムネのようだ」と表現されたエピソードから、炭酸泉の別名である「ラムネ湯」が生まれたそうです。

関西地方の保養地として名高い有馬温泉は、当時の帝の行幸地として『日本書紀』などに登場します(*2)。有馬温泉の特徴は、法律で定められた9種類の温泉の成分のうち、二酸化炭素泉をはじめとする7種類を含んでいること。炭酸泉にちなんだ炭酸せんべいや炭酸水はお土産品にもなっています。

*2 出典:落合茂(1973)『“洗う”文化史話』花王石鹸資料室編,花王石鹸

炭酸泉には、血管を拡張して血行を促進する働きがあります

各地で愛されている炭酸泉の効能を支えているのが、炭酸ガスです。お湯の中に溶け込んだ炭酸ガスは、皮膚にすばやく浸透し、血管の平滑筋に作用して弛緩させ、血管を拡張させます。入浴するだけでも血行促進効果を得られますが、炭酸ガスが溶け込んだお湯につかれば、その効果がさらに高まるというわけです。

最近では、神経終末(神経線維の末端)に炭酸ガスが作用し、血管が拡張するメカニズムもわかってきています。また、炭酸ガスが温度感覚に影響を及ぼし、炭酸水が低い温度でも温かく感じる現象が起こることも知られています。炭酸泉に入ると、ぬるめのお湯でも温かく感じるのは、この作用のためです。

炭酸泉のお湯につかると、温まり効果が持続します

炭酸ガスが溶け込んだ炭酸泉などにつかると、入浴の血行促進効果をさらに高め、血流量も増え、温まった血液が体全体を循環します。そのため、体の深部まで温まるだけでなく、さら湯につかったときに比べ、入浴後の体温が高いまま持続します。

血行が促進されると、疲れ、痛み、こりなどが軽減します

血液には、体に取り入れた栄養や酸素を体中に届けると同時に、老廃物や発痛物質、疲労物質などを回収して代謝させる働きがあります。ところが、体が冷えたり同じ姿勢を続けたりすると、血行が悪くなり、発痛物質や疲労物質が流し去られずに滞留することで、痛みやこりを引き起こします。

血流が促されると、体に必要な物質の取り込みや、発痛物質や疲労物質の回収がスムーズに行われます。つまり、炭酸ガスが溶け込んだ炭酸泉などにつかれば、入浴本来の血行促進効果をさらにアップさせるので、疲労回復をはじめ、腰痛や肩こりといったさまざまな不調を改善しやすくなるのです。

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